Domaine Michel Magnien
ドメーヌ・ミッシェル・マニャン

モレ・サン・ドニを中心にジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニーに所有する畑からテロワールの特徴を色濃く反映したワインを造っています。
価格の高騰が続くブルゴーニュにおいて、手の届きやすいワインを造っている生産者を探すのであればミッシェル・マニャンは間違いなく外せないでしょう。

概要

モレ・サン・ドニに本拠地を構え、5代に渡る歴史を持ちますが元々は栽培農家で、収穫したブドウは協同組合に卸していました。
しかし1967年に4代目当主ミッシェル・マニャンによって独立すると着々と畑を拡大、1993年には息子のフレデリックからの助言もありブドウを協同組合に卸すのをやめました。またこの頃から醸造をフレデリックに任せるようになります。

フレデリックは2006年から完全にドメーヌの運営を任され、5代目当主となります。彼は醸造学校で勉強した後、シャサーニュ・モンラッシェの代表的生産者であるドメーヌ・ジャン・ノエル・ガニャールやカリフォルニアのカレラ、オーストラリアのバンノックバーンなどでピノ・ノワールのワイン造りを学びました。
彼はドメーヌの栽培から醸造、熟成に至るまで改革に着手し、ワインのスタイルを大きく変化させました。その結果、今まではあまり注目されることのなかったドメーヌ・ミッシェル・マニャンは、各国のメディアから高く評価されるまでになりました。
また1995年からはフレデリック名義でネゴシアン事業も行っている。ネゴシアンと言っても畑に自身の栽培チームを派遣し、ブドウ栽培から行うヴィティカルチャル・ネゴースのスタイルをとっているため、造られるワインの品質は非常に高い。
さらには当主の健康状態の悪化から売り出されていたドメーヌ・レミ・スガンを2010年に購入。基本的にはレミ・スガンが所有していた畑から収穫されたブドウからワインを造りますが、ネゴシアン事業でのコネクションを活かして、栽培農家からもブドウを購入しています。

栽培や醸造

2008年からは有機栽培、2015年からはビオディナミの認証を得ており、栽培にはルロワにビオディナミを導入し30年以上もの間、ルロワの栽培を指揮してきた人物を登用。
手摘みで収穫されたブドウは100%除梗される。醗酵は区画によってステンレスタンクとコンクリートタンクを使い分ける。
熟成期間は比較的短く10~14ヶ月、DRC社と同じフランソワ・フレール社製の樽を使用しているが、2015年からはアンフォラ(ジャー)で熟成させたものを30~75%使用している。アンフォラだけで熟成させるとブドウそのものの個性が出るが、複雑性にかけるためアッサンブラージュを行うそう。
こうして熟成を終えたワインは無濾過で瓶詰めされる。

所有する主な畑

Charmes-Chambertin シャルム・シャンベルタン

Clos de la Roche クロ・ド・ラ・ロッシュ

Clos Saint-Denis クロ・サン・ドニ

Les Cazetiers レ・カズティエ(ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ)

Les Millandes レ・ミランド(モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ)

Monts Luisants モン・リュイザン(モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ)

Les Sentiers レ・サンティエ(シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ)

ワインのスタイル

ピュアで濃縮した果実味がありつつも複雑。またアルローやポンソほどではないが、透明感も多少感じられる。
比較的若いうちから楽しむこともできるが、熟成にも耐え得るポテンシャルを持つ。

管理人コメント

近年のミッシェル・マニャンのワインは、アンフォラを使用しているせいか、香りと果実味ともにピュアでフレッシュな印象があります。果実味はよく詰まっており旨味があるのですが、フルーツ以外の要素があまりないようにも思います。
しかしながら濃密で複雑、20年近い熟成にも優に耐え得るようなワインを造っていた時期もあるので、ヴィンテージによって味わいは大きく変わりそうですね。

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