Domaine Arlaud
ドメーヌ・アルロー

ここ十数年で急激に評価が上がったモレ・サン・ドニのスタードメーヌ。
若き天才シプリアン・アルローが手掛けるワインはポンソやデュジャックに勝るとも劣らないエレガンスを備えています。

概要

1942年にジョセフ・アルローがドメーヌを設立。

ドメーヌの礎を築いたのは、2代目当主であるエルヴェ・アルロー。彼は1970年代に入るとドメーヌ元詰めを開始し、畑もモレ・サン・ドニの区画を中心に徐々に買い足していきます。
また当時、アルローの名が世に知られるようになったのは、ノース・バークレー・インポーツ社向けのキュヴェがきっかけであり、これは新樽率100%で熟成され、濾過や清澄作業を行わず瓶詰めされたもので、通常のキュヴェとは正反対の造り方がされていました。このキュヴェが通常のキュヴェより遥かに品質が高いことはエルヴェも認めていたようです。

通常キュヴェから最上級キュヴェまでの品質を大きく改善したのは、現当主であり3代目のシプリアン・アルローがドメーヌを取り仕切るようになってからであり、彼はニュージーランドや南アフリカでピノ・ノワールとシャルドネのワイン造りを修業した後、1997年からドメーヌに参加しています。
シプリアンは畑仕事や栽培・醸造などのあらゆる点を厳しく管理し、各国のジャーナリストから称賛される素晴らしいワインを造ることに成功しています。現在のドメーヌの名声は彼がもたらしたと言っても過言ではないでしょう。

栽培や醸造

1998年からはリュット・レゾネ、2004年からは全ての畑においてビオロジックを実践。耕作は土壌が固まらないよう馬で行う。またグリーンハーベストを行ったり、ブドウの実った段階であまり良くない樹を畑から抜くなどして品質を安定させることに取り組んでいます。
樹齢は35~50年と平均的に高く、そこから厳しい収量制限と選果を経たブドウが使用されます。
手摘みで収穫されたブドウは基本的に100%除梗された後、ステンレスタンクにて4~6日間の低温マセラシオンが行われます。そして醗酵は人為的な介入を避けるため、自然に始まるのを待ちます。
熟成はフレンチオークで新樽率30~60%、14~16ヶ月行われます。またこの時使用する樽も、基準に満たない品質であれば、ブドウ同様にネゴシアンに売却してしまうそうです。
樽熟成を終えたワインは清澄や濾過作業は行われず瓶詰めされます。

所有する主な畑

Charmes-Chambertin シャルム・シャンベルタン

Clos de la Roche クロ・ド・ラ・ロッシュ

Clos Saint-Denis クロ・サン・ドニ

Bonnes-Mares ボンヌ・マール

Aux Combottes オー・コンボット(ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ)

Les Millandes (レ・ミランド)

ワインのスタイル

他のドメーヌには中々ない透明感と凝縮した果実味が特徴的でとても上品、テロワールの表現力に優れており、ブルゴーニュの美点に溢れている。

管理人コメント

アルローは私の最も好きな生産者の一つです。
近年はデュジャックやダヴィド・デュヴァンのようなモダンな要素の強い生産者というよりは、ポンソのように透き通っており純粋な果実味が魅力的な生産者のように思えます。
またアルローはネゴシアンものである「エ・アルロー」も素晴らしいです。自ら農家の方々と栽培を行うヴィティカルチャル・ネゴースのスタイルをとっているため、限りなくドメーヌものに近い品質でありながら、価格は少し抑えられています。
その中でもモレ・サン・ドニ・クロ・サロンは村の中央の区画であり、ジュヴレとシャンボールのまさに中間的な味わいでとてもオススメです。

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