「新樽の魔術師」の異名を持つセラファン。
ロバート・パーカーをはじめとした評論家やフランスの3ツ星レストランなどから高い評価を獲得し、比較的浅い歴史ながら、その地位を確固たるものにしています。
概要
ドメーヌは、第二次大戦後である1947年に初代当主であるスタニラス・セラファンがシャルム・シャンベルタンの区画を購入したことに始まります。スタニラスは木工職人でしたが、これを機に栽培農家となりました。
1957年になるとクリスチャンがドメーヌを手伝い始めたことによって品質が向上し、1988年には父からドメーヌを引き継ぎ、2代目当主となります。またドメーヌはこの頃から元詰めへと移行しました。
クリスチャンの代になると多くのワインジャーナリストから注目されるようになり、所有する畑も5.3haへと拡張し、現在のドメーヌの礎を築きました。
ドメーヌを大きく飛躍させたクリスチャンでしたが2012年には完全に引退しており、現在ドメーヌを担うのは娘のカリーヌと、その従姉妹であり同い年のフレデリック。カリーヌが販売・管理を担当し、フレデリックが栽培・醸造を担当している。
カリーヌは2006年から、フレデリックは1999年からドメーヌに参加し2003年からは栽培・醸造共に担当しており、現在もクリスチャンの手法を踏襲している。
栽培や醸造
認証は得ていないが畑仕事は極めてビオロジックに近い。雑草を取り除くのに除草剤が使用されることはなく、耕作で掘り起こす。これにより土の中に空気が入り、地中の微生物の活動が活発になるとのこと。また凝縮感のあるブドウを収穫するために、ブドウ樹には厳しい剪定と芽かき、除葉が施されます。
以前は完全除梗でしたが、現在は約70%の除梗率。ステンレスタンクにて低温マセラシオンと自然酵母によるアルコール醗酵を合わせておよそ17日間行います。醗酵の温度は最高35℃に管理し、初期段階では1日に2回のピジャージュ、その後は各1回のピジャージュとルモンタージュを行います。
そしてセラファンと言えば熟成に使用する新樽率の高さが特徴的。ブルゴーニュ・ルージュで40%、村名ジュヴレ・シャンベルタンで50%、同ヴィエイユ・ヴィーニュ以上は100%となっており、熟成期間は澱引きなしの14ヶ月。また使用する樽は主にセガン・モロー社とフランソワ・フレール社のもので、前者はエレガントなクリマに、後者はパワフルなクリマに向いているとのこと。これらは全てクリスチャンの時代と変わっていないのだが、樽の焼き加減だけは抑えられている。
熟成を終えたワインは月の運行カレンダーに従い瓶詰めされます。この際に澱引きや清澄、濾過作業は行われません。
所有する主な畑
Charmes-Chambertin シャルム・シャンベルタン
Les Cazetiers レ・カズティエ(ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ)
Le Fonteny ル・フォントニー(ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ)
Les Corbeaux レ・コルボー(ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ)
Les Millandes レ・ミランド(モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ)
Les Baudes レ・ボード(シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ)
ワインのスタイル
セラファンのワインは純粋で凝縮した果実味と豊富なタンニンを持つ堅牢なスタイル。若いうちは素っ気ない印象ですが、長期の熟成を経て樽由来の香味が溶け込み、タンニンも柔らかくなります。ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ以上は、最低でも10年はセラーで寝かせておきたいところです。
管理人コメント
準備中
コメント