歴史は長くないが、90年代半ばから急激な躍進を見せるドメーヌ。
ロバート・パーカーからは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティやルロワ、アルマン・ルソーなど数少ない生産者のみが選出されている5ツ星生産者に選ばれ、ワイン・アドヴォケイトにて2002年のクロ・ド・ラ・ロシュに100点が付くなどして、ドメーヌの評価はうなぎ登り。
今ではニュイ・サン・ジョルジュを語るうえで外せない生産者となっています。
概要
今は亡きモラン・ペール・エ・フィスというネゴシアンで働いていた父のフェルナンが残した畑、わずか3haからこのドメーヌは始まりました。
モラン・ペール・エ・フィスは、ニュイ・サン・ジョルジュに拠点を置く1822年創業の歴史あるネゴシアンでした。 創業者のエドワード・モランの息子、ジャン・モランはコンフレリー・デ・シュヴァリエ・デュ・タストヴァン(ブルゴーニュ利き酒騎士団)の設立に関わっており、さらには1960年代にモランはエリゼ宮(フランス大統領官邸)の御用達ワインになるなど、ブルゴーニュの近代史と共に歩んできました。 モラン社のカーヴは1717年に建てられた非常に古いもので、ブルゴーニュの歴史的建造物に指定された、観光客も多く訪れる名所でした。またワインは全て自社で醸造したもので、いずれもよく熟成し、古酒のストックにも定評がありました。
栽培担当フィリップと醸造担当ヴァンサンのレシュノー兄弟が運営するドメーヌは1986年創業の若さながら瞬く間に高評価を得て成長し、手掛けるアペラシオンは年によっては18にもなり、畑もおよそ10haの規模まで拡大。
本拠地のニュイ・サン・ジョルジュの他、マルサネやジュヴレ・シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ、ショレイ・レ・ボーヌ、さらにはオート・コートにも畑を所有しており、毎年安定して完成度の高いワインを造っています。
栽培や醸造
認証を得るつもりこそないものの、栽培は事実上のビオロジックで、いくつかビオディナミ的な調合物も使用。芽搔きやグリーンハーベストにより収量を厳しく抑えており、収穫時と収穫後の二度の選果をくぐり抜けたブドウのみが使用されます。
以前は100%除梗していましたが、2007年からはヴィンテージや区画によって梗を残すようになりました。10~12℃の低温マセラシオンを4~5日間、自然酵母による醗酵をおよそ3週間かけて行います。また場合によっては色づく前のフリーランジュースを抜くことでワインの濃縮度を高めます。
ワインの凝縮度に自身があるからか、熟成に使用する新樽率は全体的に高く、広域のアペラシオンで10~20%、村名50%、プルミエ・クリュ以上は100%が基本ですが、ヴィンテージによって変わります。
ドメーヌではワインと澱はなるべく長く一緒に置くという信条のもと、澱引きは瓶詰め前の1回のみで、清澄も行わずフィルターにもかけません。
所有する主な畑
Clos de la Roche クロ・ド・ラ・ロッシュ
Les Charrieres レ・シャリエール(モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ)
Les Borniques レ・ボルニック (シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ)
Les Damodes レ・ダモード(ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ)
Les Pruliers レ・プリュリエ(ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ)
ワインのスタイル
果実味が豊かでタンニンも丸みがあるため、濃厚ですが若いうちから楽しめるスタイルですが、もちろん熟成にも耐えうるポテンシャルの高さもアペラシオンによっては持ち合わせています。
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